2017年11月24日金曜日

2期 第8回ゼミ

ゼミ生のYです。

 2期第8回ゼミを行いました。今回は芝健介著『ホロコースト ナチスによるユダヤ人大量殺戮の全貌』(2001年、中公新書)を各々読んできて、意見交換しながらホロコーストについて考えていきました。私はユダヤ問題については世界史における悲しい一出来事ということ以外にあまり深く掘り下げたことがなく、本書を通して詳しい事実や背景をよく知る良い機会になりました。

 反ユダヤ主義から始まったホロコーストはヒトラーやナチスの思想のみによるものではなく、様々な要因も合わさったことによって状況が加速し、歯止めが効かなくなってしまった結果でした。しかし、だからといって彼らのしたことが許されるわけではありません。行きすぎた選民思想とエゴが独裁と悲劇を生み出してしまったという紛れもない事実を忘れず、人間の生き方や宗教のあり方、多様性を認める社会を考えていかなければならないのだと思いました。

 ゼミ後には、学習センターで行われていたランチタイム講座「手話セミナー」を聴講しました。講座といっても全く堅くなく、手話の文化について実演を交えながら分かりやすく楽しく知ることができました。実際に手話の話者である本学の学生の方もとても人当たりが良い感じでした。1期で手話に関してディスカッションを行いましたが、それでもまだまだ知らないこともあり、一層勉強になりました。

 私が小学校の頃、発音障害を持っていたある男の子のクラスには壁に指文字の表が必ず貼ってありました。そうすることで指文字が身近なものとして違和感なく感じられるほか、その子とも皆分け隔てなく自然に接することが出来ていました。頭が良く話も面白い彼は友達がとても多かったのをよく覚えています。こうした相互理解のための工夫がもっと広くなされることで、誰もが生きやすい社会へ一歩踏み出して行けるのではないでしょうか。