2017年6月5日月曜日

2017年度 第7回


ゼミ生のYです。

 今回は、課外活動で森美術館にて大エルミタージュ展を鑑賞するにあたって前回各々が選んだ西洋美術に関する本を発表しました。

 まず最初にDさんが池上英洋著『西洋美術史入門』を発表しました。美術史とは何か、どのような背景で描かれたのかなどを、芸術作品は人類の歴史の大部分を占める「メディア」として読み解き解説していくという内容でした。芸術家は創作活動をするためにパトロン(支援者)の注文によって描くものが制限されてしまうということで、芸術作品という分野でも需給にあったものを作らないと食べていけない、想像しているよりシビアな世界なのだと感じました。

 次に私Yが岡田温司著『処女懐胎 描かれた「奇跡」と「聖家族」』を発表しました。聖母マリアはどのようにしてイエスを身ごもったのか、「無原罪」という「無いもの」を描く難しさ、マリアの母アンナの辿った運命などを様々な学問の視点から考察していきました。受胎はなんと耳から聖霊が入ったからとされているなど、当時信じられていた話を絵画と絡めて紹介されていてとても興味深かったです。

 そしてRさんが西岡文彦著『ピカソは本当に偉いのか?』を発表し、「ピカソの絵は美しくない」という著者による導入からピカソの芸術的才能や経済的才能について紹介しました。芸術家でありながら美術市場の可能性を正確に見抜いて分析し、売り込んでいくような打算的な性格を持っていたところに経営学部生の私としては興味をひかれる部分があり、面白かったです。

 最後に相澤先生が山我哲雄著『キリスト教入門』を紹介されました。人間的な人生を歩んできたイエスがどのようにして神の子として人々に受け入れられるようになったのかや、ローマ・カトリック教会においてプロテスタントはどう生まれたかなど、キリスト教の始祖について解説する内容でした。存在そのものが神と一致しているとされるマリアに神の創造し存在であるイエス。人間の形をしていながら神性を持った彼らの存在が、より人々に近く感じられたことで多くの信仰を集めることになったのだろうと考えました。

 今回の発表を踏まえて美術館見学に行ったことで西洋絵画の鑑賞がいっそう面白く感じられました。美術館見学の詳細のレポートはDさんがアップされます。インドの作家の展示もとても独創的で面白かったです。普段は美術館へはあまり行く機会がなかったので新鮮な気持ちで過ごせました。もっとさまざまな芸術に触れてみたいですね。