2014年5月28日水曜日

2014年度第7回ゼミ

教員の相澤です。本日は欠席者多数のため、私が代筆します。

今日の前半は、『ヨーロッパ思想入門』の輪読をしました。
郷野さんが第二部第五章「イエスの教え」の第三節「神の国」までを要約発表しました。キリスト教の基本的な思想を学ぶ部分で、なじみのない人(私含む)にはピンとこないところもあったようです。次回は第五章の残りと第六章を高橋さんが、第三部第一章を山本さんが担当します。

後半に行く前に、私からプレゼンの仕方のコツを説明しました。話すスピードや視線の配り方などにちょっと気をつけるだけで、プレゼンの印象は大きく変わります。そこで、プレゼン評価用紙を用いて、留意すべきポイントを解説しました。

続いて後半は、秋葉さんと山本さんの読書報告です。聴く人は、上記評価用紙にプレゼンで気づいたところを記入しつつ、耳を傾けました。

山本さん:師岡康子『ヘイト・スピーチとは何か』、岩波新書、2013年
秋葉さん:清水真木『友情を疑う、中公新書、2005年

質疑応答を経て、聴き手から発表者に評価用紙を渡しました。評価用紙にはネガティブな評価も書かれていましたが、めげずに(?)、自分を客観視してプレゼン技術を改善するヒントにしてほしいと思います。

最初に書いたように、今週はゼミ生6人中3人が体調不良で欠席でした。前期の疲れが出てくるこの季節、体調管理には特に気をつけてほしいと思います。休んだ方、お大事に!
(相澤)

2014年5月23日金曜日

書評:『「リスク」の食べ方―食の安全・安心を考える』

岩田健太郎『「リスク」の食べ方―食の安全・安心を考える』ちくま新書、2012
 
本書は様々な事例の検討を通して、食に対する「リスク」や「安全・安心」の在り方を問い直す。
 
感染症の専門医である著者は、ユッケによる大腸菌感染症から厚労省がレバ刺し禁止に至るまでの背景を考察している。そしてレバ刺しの禁止は私たちの役所依存体質を高め、逆説的に他の食品の安全リスクを高めることになると主張している。後半では、トクホの実態、健康増進を謳う本の検証、放射能が食べ物にもたらす影響などに触れ、最後に原発再稼働のリスクについて食べ物の枠を超えて言及している。
 
どんな食べ物でも(たとえ薬であっても)二面性、リスクがあることを承知の上でそれに対峙していかなければならないこと、そして「安心」の過度な追求が実は「安全」を壊してしまうことを意識するきっかけになる一冊だ。
(郷野)

2014年5月21日水曜日

2014年度 第6回ゼミ

こんにちは。ゼミ生の郷野です。

今週のゼミ活動は前半に『ヨーロッパ思想入門』の輪読をしました。
川上さんが第二部第二章を、松山さんが第二部第三章と第四章の要約発表し、理解を深めました。
今回は第二部Aの旧約聖書の内容とB新約聖書の冒頭部で、次回は新約聖書の内容になります。

後半は「今週読んだ本」の報告。取り上げた本は以下の通りです。
高橋さん:猪木武徳『経済学に何ができるか』中公新書、2012年

秋葉さん:加藤秀俊『取材学』中公新書、1975年
相澤先生:阿部彩『子どもの貧困II』岩波新書、2014年

秋葉さんが報告の中で図書館の利用について触れられていました。
最近は本を探すときにPCの検索機で、ということが自分も多かったので、
ゆっくり図書館を見て多くの本を手に取りたいと思います。
(郷野)

2014年5月15日木曜日

2014年度 第5回ゼミ

こんにちは!ゼミ生の高橋です。5月14日に第5回ゼミを行いました。

前半は『ヨーロッパ思想入門』の輪読。山本さんが第一部第五章を、秋葉さんが第二部第一章を要約発表し、理解を確認しました。
今回のゼミで第一部の古代ギリシア思想の内容が終わり、第二部のヘブライの信仰についての内容に入りました。

後半は「今週読んだ本」の報告。取り上げた本は以下の通りです。
川上:鈴木光太郎『ヒトの心はどう進化したのか』、ちくま新書、2013年

松山:砂田一郎『アメリカ大統領の権力』中公新書、2004年
郷野:岩田健太郎『リスクの食べ方』、ちくま新書、2012年

今回、私はブログ更新係ということで、ゼミでの役割としてはコメント・質問を積極的にするということでした。しかし、いざとなるとあまり思いつかず、苦手意識があると感じました。今後も、毎回コメント・質問をする機会があると思うので、ゼミでの経験を通してコミュニケーション技術を磨きたいと思いました。
(高橋)

2014年5月7日水曜日

2014年度第4回ゼミ


ゼミ生の秋葉です。第4回ゼミを行いました。
前半は『ヨーロッパ思想入門』の輪読。郷野さんが第一部第四章を要約発表し、理解を確認しました。

後半は「今週読んだ本」の報告。取り上げた本は以下の通りです。
高橋:内山真『睡眠のはなし』、中公新書、2014
川上:川名好裕『恋愛の俗説は8割ホント。』、河出書房新社、2013
相澤:秋山なみ・亀井伸孝『手話でいこう』、ミネルヴァ書房、2004

授業の最後に、相澤先生から本選びについて出版社や著者に注目しようというお話がありました。次回以降、ゼミで紹介する本は意識して選ぶようにしたいです。
(秋葉)

2014年5月1日木曜日

書評:『アイルランドを知れば日本がわかる』

林景一『アイルランドを知れば日本がわかる』角川oneテーマ21、2006年

日本にとってあまり馴染みのないアイルランド。本書で著者は駐アイルランド大使を務めた経験から、独自の視点でアイルランドを紹介している。

前半ではアイルランド人が多く移住したアメリカの時代背景、ジャガイモ飢饉や英国の侵略を逃れた歴史を持つ多数のアイリッシュ系の人の活躍がかかれている。また今後もアメリカとの「特別な関係」が維持されると述べられている。中盤では隣国イギリスとの長い歴史的背景を追い、歴史の古さ、侵略併合から和平に至るまでの流れがかかれている。さらに、英愛関係の検討を通じて日韓関係が改善する手がかりを見出そうとしている。後半は文化、スポーツなど日本人に知られていない史実や日本との接点、日本におけるアイルランドの重要性か語られている。

本書では、興味深いエピソードや著者自身の体験が多く語られている。文化、政治、歴史と幅広く触れられていてアイルランドを知るにはうってつけの一冊だ。ただしタイトルのその通り日本がわかる内容ではなかった。
(郷野)