2018年1月26日金曜日

2期 ゼミ最終回

 ゼミ生のYです。

 今年度の相澤ゼミはこれで最終回ということで、1年間のゼミで学んできたことの振り返りをしました。この1年間で、ゼミ生それぞれ学んだことはたくさんありました。

 ゼミでは、各々が読んできた新書の読書発表のほか、前期は亀井信孝著『手話の世界を訪ねよう』、後期はJ.S.ミルの『自由論』の輪読を中心に、社会問題と自由についてディスカッションを行いました。また、合間に映画鑑賞をしたり、ホロコーストについて知識を深めたりと、幅広く学習することができました。ディスカッションにおいて自分の考えをまとめてより分かりやすく話すというのは案外難しく、一番成長が感じられた部分ではないかと思います。そして課外活動では、美術館や演劇、バレエといった普段学生が自分からはなかなか行かないような場で、たくさんの貴重な体験をすることができました。様々な芸術に触れることで、人生を豊かにするための刺激を受けられてとても良かったです。

 途中で減ったこともあり学生2人というとても少人数のゼミでしたが、その分ディスカッションで意見を言い合える一人当たりの時間が長くとれ、より学びが多くなりました。また、ゼミを通してほぼ毎週新書を読むことで読書の経験値がかなり増えたので、もっと色々なジャンルの本にも活かしていけそうです。初めは発表やディスカッションに対して適応できるか不安でしたが、慣れていくうちにどんどん話せるようになり、このゼミに入って良かったと思いました。授業時間としてのゼミは終わってしまいましたが、まだパリでのゼミ合宿が残っています。楽しみながらも色々と吸収して来たいです。

2018年1月10日水曜日

ビブリオバトルに参戦!

担当教員の相澤です。一月十日は、午前中にゼミを行なった後、夕方に図書館で開催されたビブリオバトルに参加しました。その時の様子を紹介します。

ビブリオバトルとは、本のプレゼンテーションを競い合う知的書評合戦です。参加者(バトラー)はオススメしたい本を5分間で紹介し、続いて観客との質疑応答を3分間行います。全バトラーの本紹介が終わったところで、観客は「一番読みたくなった本」を投票し、最も票が集まった本を「チャンプ本」に選びます。

ブラウジングスペースでの闘い!
今回は、本ゼミ生のRさんとYさんを含む5人のバトラーが参戦してくれました。 バトラー達がどのような本を紹介したのか、詳細は図書館の記事をご覧いただくとして、私の感想を二点記したいと思います。

相澤ゼミでは、毎回新書の報告を行っています。ゼミ生は本を紹介することに慣れているはずですが、ゼミの中でのプレゼンテーションと見知らぬ観客を前にしたプレゼンテーションでは勝手が違います。当然緊張しますし、バトルでは時間内に紹介を収めなければなりません。自分の言いたいことを決められた時間内で相手にうまく伝える。その難しさを改めて感じたのではないかと思いました。(ちなみに、当日私も余興でバトラー達を前に自分のオススメ本をプレゼンしました。大人数の授業で喋り慣れているはずなのに、緊張しました。)

バトル参加は、他の人の発表を聴く機会でもありました。一観客として冷静に発表を聴くと、どういう発表がわかりやすいのか、人を惹きつけるのかが明確になります。他の人の発表を聴くことで、自分の発表を見つめ直す視点が得られるわけです。よい発表をするためには、一人で努力するだけでなく、他者のいろいろな発表(よい発表もイマイチな発表も!)を聴いて、観る目と聴く耳を養うことが必要。ゼミ生はこのことを身をもって理解したのではないかと思いました。

いよいよ、ゼミは残すところ1回になりました。最終回では、一年間の学習を通してどのように成長できたかを振り返ります。

2018年1月7日日曜日

バレエ鑑賞 『ニューイヤー・バレエ』

 ゼミ生のYです。

 先日、新国立劇場のオペラパレスにて『ニューイヤー・バレエ』を鑑賞してきました。私は生でバレエを観るのは初めてだったのですが、ダンサーの揃った動きや華麗さは素人目にも素晴らしいと感じました。特に第1部「パ・ド・カトル」の4人の可憐なダンスや第2部のフィナーレの堂々とした踊りは男女ともにとても美しかったです。

 そして何より欠かせないのがオケですが、こちらも聞き惚れるほどの素晴らしい演奏でした。また、オペラ・バレエ専用の劇場ということもあり、音響がとても良かったです。弦楽器の細かい音から管楽器の低音まで、繊細な音の響きがよく聴こえました。

エントランスは新春の設え。
今回は新国立劇場開場20周年の記念公演ということで振り付けや技がメインのショーでしたが、機会があれば『白鳥の湖』や『くるみ割り人形』などの物語作品も是非観てみたいです。バレエ音楽はその音楽の方が有名だったりしますが、やはり演技や踊りとセットで鑑賞した方がより豊かな感性が育まれるような気がしました。

 実はこの日は公演前にロビーでシャンパンを頂いたのですが、お子様舌な私には甘口のスパークリングワインの方が美味しく感じられました(笑)。芸術であれなんであれ、良いものを良いとしっかり味わえるようになりたいです。

2017年12月25日月曜日

2期 第11回ゼミ

 ゼミ生のRです。

 2期第11回目のゼミを行いました。今回も各自の新書報告という内容です。

 最初に相澤先生が今井宏平『トルコ現代史 オスマン帝国崩壊からエルドアンの時代まで』(中公新書、2017)を紹介されました。同書は、トルコ共和国の約100年の歴史について書かれています。変容しつつある外交の指針についての内容もあるようで、本当に最近の事柄まで記述されているという印象を持ちました。また、前回のゼミ後にトルコについてのミニ講座に出席したこともあり、興味深かったです。

 次にYさんは新書を2冊報告してくれました。1冊目は黒岩徹『イギリス式生活術』(岩波新書、2003)です。これは、「ドント・パニック」の精神やイギリス人の「ゆとり」の心について、著者が実際に目にした体験も交えながら紹介しています。自国との文化の差はあれど、大人としての心の持ち方、生活態度を知る一つの指標となりそうだと思いました。
 2冊目は宮下規久朗『ヴェネツィア 美の都の一千年』(岩波新書、2016)です。ヴェネツィアの歴史と魅力が紹介されています。多くのカラフルな美術品の紹介もあり、楽しくヴェネツィアについて学べそうな一冊でした。

 最後に私Rが羽場久浘子『拡大ヨーロッパの挑戦 アメリカに並ぶ多元的パワーとなるか』(中公新書、2004)を紹介しました。ヨーロッパ統合がどのような意味を持つかについて詳細に語られていました。その内容を踏まえて、日本は今後地域協力をどのように進めていったら良いのかと考えさせられました。フランス等の大国の視点だけでなく、当時のEU新加盟国にも焦点を当てているので、より深くヨーロッパについて知ることが出来ました。

 今回は年内最後のゼミ活動でした。今までヨーロッパ関連の新書を読んできた積み重ねで、以前より文化や政治への理解が深まっていると感じます。活動も残りわずかとなりましたが、年明けもよろしくお願いします!

2017年12月13日水曜日

2期 第10回ゼミ

担当教員の相澤です。急に寒くなって風邪が流行る季節になりました。今日は、Rさんと私の二人で新書紹介を行いました。

まず私が、 最近読んだヨーロッパ関連本を三冊紹介しました(新書二冊と文庫本一冊)。まず、一冊目はソポクレス『オイディプス王』(河合祥一郎訳)です。最近光文社古典新訳文庫から新訳が出たので、久しぶりに読み返しました。思想的に解釈するのはもちろん興味深いことですが、物語として何度読んでも面白い!Rさんは未読とのことだったので、ネタバレはせずに、まずはまっさらで読むことを強く薦めました。

二冊目は、宮川裕章『フランス現代史 隠された記憶』(ちくま新書、2017)です。これは、第一次世界大戦、第二次世界大戦、そして戦後のフランスのある意味暗い歴史を紹介する本でした。とりわけ興味深かったのが第四章「ユダヤ人移送の十字架」です。先日、ゼミでホロコーストについて学びましたが、ナチスドイツ占領下のフランスからも多くのユダヤ人が絶滅収容所へ移送されました。その過程には当然、フランス人も関わっています。あまり表立って論じらることのないフランスにおけるホロコーストの記憶について知ることができる点で、機会があればゼミ生と読みたいと思いました。

 三冊目は、津島佑子『快楽の本棚』(中公新書、2003)です。これは、小説家である著者の、自伝的読書案内です。洋の東西を問わず、名作が、時代背景とその時代を生きた著者の体験とともに紹介されています。有名な作品ばかり(ですが、私は読んだことないものもたくさんありました)なので、学生さんは参考にするとよさそうです。読書案内の裏のテーマとして、日本と西洋の根本的な違いというものが語られている点が興味深かったです。

Rさんは、庄司克宏『欧州連合 統治の論理とゆくえ』 (岩波新書、2007)を紹介してくれました。同書では、EUという国家を超えた統治体がどのような仕組みで成り立っているのか、自由貿易と市場統合というEUの原則が、各国の社会や文化にどのような影響を及ぼすのかといった問題が解説されています。この本は2007年に出版されています。2017年に本書を読むと、10年前の時点で指摘されている市場統合と文化の多様性の対立が噴出しているのが現在なのだと実感しました。

ゼミ生は、毎週、フランスあるいはヨーロッパに関する新書を一冊読んでいます。ゼミも後半にさしかかった今、本を通して、ヨーロッパの歴史、文化、政治システムなど様々な観点から知識を深められていることを感じます。2月に実施するフランスでのゼミ研修で、本で得た知識と実際のフランスの一致と違いを体感してもらうのが楽しみです。

追記:ゼミとは別に、本日学内で行われたトルコの言葉と文化を紹介するミニ講座に二人で出席しました。トルコの基本情報から言葉の構造、そして「世界三大料理」の一つであるトルコ料理の紹介まで、短い時間ながらトルコに行きたくなる情報満載の講座でした。質疑応答では、EU加盟を目指してきたトルコがアジア、あるいは中東を重視する方向へ舵を切りつつある現状についてもお話が出ました。
ヨーロッパ(といっても私が見るのはフランスとドイツくらいですが...)の報道を見ると、日本とは違って、トルコに強い関心が払われていることがわかります。ヨーロッパについて知るとき、現地の人が何に関心を持っているのか、そしてその関心の対象についても同じように目を向ける必要があると感じます。
トルコについて知るだけでなく、トルコを通じて、ヨーロッパについて考える機会となりました。

2017年11月30日木曜日

2期 第9回ゼミ

担当教員の相澤です。今日は、通常のゼミ形態に戻って、新書報告を行いました。

最初に私が、池田嘉郎『ロシア革命』(岩波新書、2017)について報告しました。11/7でロシア革命から100周年ということで手にとった一冊。ロシア革命の流れをコンパクトにたどることができました。ゼミ生がフランス革命に関する本をはすでに報告してくれていたので、フランス革命との違いに焦点をあてて、皆で議論しました。

次に、Sさんが池内紀『ドイツ 町から町へ』(中公新書、2002)について報告しました。本書では、文学者らしい表現でドイツの72の町が紹介されているとのこと。紹介の中にドイツの生活風景が、そしてそこに垣間見えるドイツ人の気質について説明してくれました。これまで読んできたフランス関連の多くの本をふまえて、ドイツとフランスの違いについて議論しました。

最後にYさんが澤井繁男『ナポリの肖像 血と知の南イタリア』(中公新書、2001)について報告しました。本書では、南イタリアの都市ナポリの歴史と文化が説明されているとのこと。様々な戦乱や交易を通して、様々な民族が入り交じることになった土地で、人びとがナポリのアイデンティティをいかに確立したのかを説明してくれました。

新書報告後は、短いテキストを使って、文章を批判的に読む訓練を行いました。

今回は、参加者がたまたまフランス以外の国についての本を選びました。ロシア、ドイツ、イタリアとヨーロッパおよび隣接地域について知識を深めることで、フランスや日本を相対化して考察する視点を持つことを目指しています。

2017年11月24日金曜日

2期 第8回ゼミ

ゼミ生のYです。

 2期第8回ゼミを行いました。今回は芝健介著『ホロコースト ナチスによるユダヤ人大量殺戮の全貌』(2001年、中公新書)を各々読んできて、意見交換しながらホロコーストについて考えていきました。私はユダヤ問題については世界史における悲しい一出来事ということ以外にあまり深く掘り下げたことがなく、本書を通して詳しい事実や背景をよく知る良い機会になりました。

 反ユダヤ主義から始まったホロコーストはヒトラーやナチスの思想のみによるものではなく、様々な要因も合わさったことによって状況が加速し、歯止めが効かなくなってしまった結果でした。しかし、だからといって彼らのしたことが許されるわけではありません。行きすぎた選民思想とエゴが独裁と悲劇を生み出してしまったという紛れもない事実を忘れず、人間の生き方や宗教のあり方、多様性を認める社会を考えていかなければならないのだと思いました。

 ゼミ後には、学習センターで行われていたランチタイム講座「手話セミナー」を聴講しました。講座といっても全く堅くなく、手話の文化について実演を交えながら分かりやすく楽しく知ることができました。実際に手話の話者である本学の学生の方もとても人当たりが良い感じでした。1期で手話に関してディスカッションを行いましたが、それでもまだまだ知らないこともあり、一層勉強になりました。

 私が小学校の頃、発音障害を持っていたある男の子のクラスには壁に指文字の表が必ず貼ってありました。そうすることで指文字が身近なものとして違和感なく感じられるほか、その子とも皆分け隔てなく自然に接することが出来ていました。頭が良く話も面白い彼は友達がとても多かったのをよく覚えています。こうした相互理解のための工夫がもっと広くなされることで、誰もが生きやすい社会へ一歩踏み出して行けるのではないでしょうか。